作家インタビュー第13回 あかしょうびんさん

インタビュー作家座談会

あかしょうびんさんは、文字数の都合でニコリのケータイパズル数独に載る問題のペンネームは「あかしょう」になっていますが、もともとは「あかしょうびん」。カワセミの仲間の野鳥からとったペンネームです。鳥好きなのね。年齢は30代後半。既婚男性。職業はメーカー勤務ぐらいにしといてください、とのことです。

(金)子どものころからのパズル好きだとか

あかしょうびん小学校のころから好きでしたね。まだニコリが創刊する前ですが、家にあったパズルの本からパズル好きになりました

(金)それは年季が入っている。どんな本だったんですか?

あかしょうびん小城栄さんの『パズル・クイズル』や、『頭の体操』などが家にありました。その後図書館にあった本を何冊も借りました。中村義作さんや、高木茂男さんの本はたくさん読みました。古典パズルはひととおり押さえましたね。なかでもいちばん影響されたのが芦ヶ原伸之さんです。パズル的な思考法、まっすぐだけじゃなくて横へも裏へも視点を動かしてみるパズル的なものの見方は、芦ヶ原さんの著書から教わりました。ボクがバイブルだと思っている本は、雑誌Quarkの連載をまとめた『芦ヶ原伸之の究極のパズル』です

(金)なるほど、ペンシルパズルからではなく、パズルの王道からペンシルパズルに入ってきたのですな。そのころもパズルを作ったりしたんですか?

あかしょうびん小中学生のころから作ってました。年賀状用の虫くい算などですね。昭和55年は1980年だったんですけど、1980は55で割り切れるんですよ。これを発見したときはうれしかったですね。こんなことをうれしがるような少年だったんですよ(笑)

(金)発見したときの喜びはわかります(笑)。その後ニコリと出会うわけですね?

あかしょうびんそうです。高校1年生のとき、友人がパズル通信ニコリ13号を持っていたのを見せてもらったのが、ニコリとの出会いです。14号を買いました。こういう本はボクにピッタリだと思いました。15号の投稿コーナーには、なんでこんな面白い雑誌を今まで知らなかったんだろう、もったいない、という趣旨のボクの文が載ってますよ

(金)へえ、そうなんだ。問題を投稿しはじめたのもすぐ?

あかしょうびんそうです。パズル作家デビューは15号です。14号を見て、パズルを作って送ってもいいんだと気がついたのですぐに送りました。碁石ひろいふくめん算が載りました

(金)載ったらやっぱりうれしかった?

あかしょうびんそれはうれしかったですよ。それまでは、パズルを作っても、まわりに解いてくれる人がいなかったんです。自分が作ったパズルを発表する場がある、自分が作ったパズルを解いてもらえる、という楽しさを知りました

(金)それからずっと作ってますね。受験のときも作ってた?

あかしょうびん現役のとき、パズルばっかりしてちゃまずいなってんでパズルの投稿を自粛したんですが落ちました。浪人のときは開き直って投稿してましたけど、一浪で志望校に入りました。責任は持てませんが、受験生はパズルやってても大丈夫ですよ(笑)

(金)たしかに責任は持てないね。虫くい算やふくめん算の次に作りはじめたのは何?

あかしょうびん数独ですね。最初に見たときに、エレガントなパズルだな、と思いました。当時はまだきれいなカタチの問題があまりなかったから、配置にこだわった問題を作ってました。解き筋でも、誰もやっていないことだらけだったんでやりがいがありましたね。その次がカックロです。カックロは少したってパズル作りの腕が上がってから作り始めました

(金)パズル作りのスタンスは今とそのころでは違いますか?

あかしょうびん本当に若いころはゴリゴリに難しい問題を試してみたけど、すぐに方向を変えて、今に至るまで変わってません。中級者以上に喜んでもらえるパズルで、なおかつ初心者が手も足も出せない問題ではない問題が理想です。通好みで作者ウケするような問題なのに、初心者もがんばればなんとか解ける、というパズルを作りたいですね。もちろん理想なんで、本当に納得できる問題はあまりできないんですけど

(金)とても高い理想だと思います。じゃあ、作るときに慣れている人と初心者の両方を想定して作ってるの?

あかしょうびんそうです。初心者ならこう考えるだろう、慣れている人はここはこう進むだろうということを、あーでもない、こーでもないと考えながら作ってます。途中でコピーを取って、その先の展開を複数考えたりすることもよくあります。作意とは違うところから解けてしまわないか確認もします。だから、ボクは作るのがとても遅いんですよ。プロパズル作家にはなれないですね、アマチュアでよかったです(笑)

(金)そんなに時間をかけて作っているんだ。作りかけで時間があいちゃうと、前に考えていたことを忘れない?

あかしょうびんよくあります(笑)。1週間寝かせてると、その先にどんな展開しようと考えていたか忘れちゃって、初期の構想と違う問題になっちゃうこともありますよ。もちろん、構想とは違っても最終的にはきちんとした問題にしますけど。やっぱりボクは、一定レベル以上の問題をどんどん作っちゃうプロではなくて、納得行く問題をコツコツ作る職人みたいなのに憧れるんですね

(金)なぜパズルを作るんですか?

あかしょうびん人をだますのが好きだから。悩ませるのが好きだからですかね。ひねくれた、意外性のある解き筋を提示できて、なるほどそうか、と思ってもらえればうれしいですよね

(金)今後はどうでしょう?

あかしょうびんたぶんペースを上げることはないと思うんですが、パズルは作り続けていたいですね。人生山あり谷ありで何があるのかわかりませんが、パズルは生涯の趣味でありたいと思ってます。自分が好きなように、作りたい問題を作っていきたいですね。満足いく問題はなかなかできないんですが、ときどきうまくいくとすごくうれしいじゃないですか。いい意味で期待を裏切るような問題を作って、ほかの作者に影響を与えることができれば最高ですね

(金)では最後にあかしょうびんさんのパズルを解いてくれる人へのメッセージを

あかしょうびん解いてくれる人がいて、発表できる場所があるからこそ、パズルを作ることができるんだと思っています。いつもありがとうございます!


インタビュー : 2008年4月 2008年5月29日公開