作家インタビュー第36回 福嶋啓之さん

作家コンテンツインタビュー作家座談会美術館の同配置問題スリザーリンクの同配置問題

ケータイパズル数独やnikoli.comのパズルを作ってくれている作家をおよびして、あれこれお聞きするコーナーです。今回のゲストは福嶋啓之さん。30代男性、スーツの似合うプログラマーです。

(竹)小さいころはどんなお子さんでした?

福嶋啓之ふつうの子どもだったと思います。少なくともこのコーナーのほかの作家に比べるとふつうでしたよ。パズル関係でいえば、小学生のころから神奈川新聞の日曜版に載っていたパズルを解いていました

(竹)当時からニコリがパズルを提供していた新聞ですね。今でもそうですが。小学生でペンシルパズルをやっていたというのは、そのころだと早いほうでは?

福嶋啓之どうでしょう。神奈川新聞は昔からパズルを載せていたので、神奈川県に限れば同じようにニコリのパズルを解いていた子どもさんは多かったかもしれません。今はもっといろいろな新聞にニコリのパズルが載るようになっているので、昔に比べると増えているんじゃないですかね

(竹)ふつうの子どもということは、外でも遊んでいました?

福嶋啓之遊んでいましたよ。でも、僕らが子どものころといえばちょうどファミコンブームだったじゃないですか。ふつうにゲームばっかりやっていました。中学校に入ってふつうに部活に入って、ふつうの中学生をやっていました。部活はバスケ部です

(竹)背が高いのは、バスケ部に入っていたから?

福嶋啓之それは逆で背が高かったからバスケ部に入ったという方が正しいです。中学に入ったときは160センチぐらいで中学3年生までずっと伸びてました。高校に入るときに180センチぐらい。それからはあんまり伸びなくて今は185センチぐらいです。バスケは高校で腰を痛めて辞めてしまいました。それを機に前から気になっていた『パズル通信ニコリ』を買ってみたのです。たしか30号でちょうど十周年の記念号でした。あの号は各パズルの詳しい解き方が載っていて始めるにはとってもいい号でした

(竹)ニコリの最初の印象はどうでした?

福嶋啓之オモパのコーナー(新しいペンシルパズルのルールをみんなで考えるコーナー。毎号、新しい『オモロパズル』略して『オモパ』が生まれています)がおもしろかったです。あのコーナーがなかったらニコリを買い続けることはなかったと思います

(竹)福嶋さんは、今や定番パズルとなったへやわけを始め、たくさんのオモパを生み出していますよね。読み始めてすぐに自分でオモパのルールを作ろうと思ったんですか?

福嶋啓之自分でも作ってみたい、という気持ちにはすぐになりました。ニコリを買い始めたのが高校1年生で、へやわけを送ったのが高校2年生か3年生ですね。それより前に3つ4つほどオモパを送りました

(竹)福嶋さん作のオモパの中でいちばん出世したのがへやわけですよね

福嶋啓之そうですね。個人的にはパイプリンク(線を引いて輪を作るニコリのパズル。立体交差できるのが特徴)も大好きなんですけどね

(竹)そういえばパイプリンクも福嶋さんの作ったパズルでしたね。当時編集長だった(金)も推していたようです。これを元にもっといいパズルが生まれればいいと思っていたそうですよ

福嶋啓之素材としてもいいパズルだったと思いますが、結局、交差ありのリンクものが今のところモノになってないというのは残念ではあります

(竹)まだ現役で『オモパ』に送り続けているんですね

福嶋啓之昔は自分が考えたオモパを投稿することが多かったのですが、最近は自分がいいねと思ったオモパを応援作として投稿したり、このオモパのルールはおもしろいけど僕ならこうするかなというような改作を投稿することが多いです。僕はオモパには、自分の好きなオモパはこれだと投票する意識で投稿している部分もあるので、自分があんまりよくないと思ったオモパを送ることはまずないです。あと意識して自分のやりたいことをやるようにしています。これはオモパに限らずで、一般のパズルの問題でもそうしています

(竹)オモパ以外のパズルはどのくらい作っていますか?

福嶋啓之基本的には、作りたくなったときに作ります。作ったとしても、好きなように作っちゃってこれは送れない、と自分でボツにすることが多いです。だから実際の投稿は月に1問ないかも。僕の問題はレアですよ(笑)

(竹)好きなパズルは何ですか?

福嶋啓之へやわけは好きなので、今でも作っています。ほかにはひとりにしてくれ。解いていると作りたくなりますね。僕だったらこんな仕掛けを入れるのに、というアイディアが浮かんできます。あとはシャカシャカ(白マスを三角形にぬって、ぬらない部分で四角形を作るパズル。2012年夏にnikoli.comでも出題開始予定です)。解いていて楽しいです。シャカシャカ作家を目指そうと思っています

(竹)じゃあ、嫌いなパズルは?

福嶋啓之嫌いなパズルというのは特にないんですけど、苦手なのは漢字を使ったパズルです。理由は単純で漢字を知らないから(笑)。漢字を使ったパズルはオモパでも載ることがあるじゃないですか。だから解いてみるんですけど、僕にはツライものが多いです。最近の例でいえば、ドッキング漢字(パーツを組み合わせて熟語を作るニコリのパズル)はどうにかなるんだけど、入る漢字の一覧が欲しいと思っています。書き取りスケルトン(漢字を書きながらマスを埋めていくニコリのパズル)まで行くと無理です。漢字が書けないんですよ

(竹)最近は日常生活で手で漢字を書く機会が減りましたもんね。注目している作家はいますか?

福嶋啓之いちばん注目しているのはGutenさんです。Gutenさんが作家を始めたのはわりと最近ですよね?

(竹)ベテランの福嶋さんから見れば、新しいほうの作家でしょうね

福嶋啓之ですよね。それであんなに数を作って、いい問題も多いし、意欲作もガンガン作っている。それでいて、以前の座談会では作り直しもけっこうやっているって言っている。何かおかしいですよ(笑)。そういう方を見てると、いつからパズルを作り始めたかなんてあまり関係ないんじゃないかって思うんですよ

(竹)話は変わりますが、パズル以外の趣味は何ですか? よくビールを飲み歩いているそうですが

福嶋啓之そうですね。ビールは好きです。特に地ビールが好きですね。ただ、趣味と言い切れるほど深くはやってないないです。僕はパズルは自分で作っていますけど、ビールは自分で作っていないし(笑)

(竹)確かにそうですけど(笑)。今後の人生の夢はありますか?

福嶋啓之夢というほどではないのですが、最近Androidアプリの作り方を覚えたので、Android上でパズルを解いたり作ったり保存できたりするツールを作りたいなと思っています

(竹)プログラミングが得意な福嶋さんらしい発想ですね。福嶋さんにとって、理想のパズルとは何でしょう?

福嶋啓之個々の作品でなく、パズルのルールそのものに対する理想ですが。作る人が作りたいように作れるパズル、というのが理想です。へやわけはその意味では理想に近いですね

(竹)スリザーリンクやぬりかべもその理想に近いでしょうか。最後に、解き手のみなさんへのメッセージをお願いします

福嶋啓之楽しんでほしいです。自分の作った問題は自分でおもしろいと思って送っているので、同じようにおもしろいと感じていただけたら何よりです

(竹)そのためには、問題がたくさん掲載されて、もっと人目に触れるようにしないといけないかもしれません

福嶋啓之そうですね。わかりました。明日からもう少しがんばって作ります(笑)


インタビュー : 2012年3月 2012年4月9日公開