作家インタビュー第7回 まいなすよんさん

作家コンテンツインタビュー作家座談会美術館の同配置問題スリザーリンクの同配置問題

まいなすよんさんは、某メーカーで何かを設計している技術者です。パズル界のよんさまと呼ばれる、明るく礼儀正しい29歳の独身男性なのでした。

(金)子どものころからパズルが好きだったんですか?

まいなすよんペンシルパズルやジグソーパズルは特に好きではなかったですね。だけど、頭を使うのは好きだったと思います。体が強くなかったんで室内遊びが好きで、折り紙はよくやっていました。幼稚園のとき、色紙を切って何かに使ったあとの端切れがたくさんあったんですけど、その中からなるべく大きな正方形を取って鶴を折ってました。どうすればいちばん大きな正方形が取れるかは、頭を使うんですよ。けっこう燃えました(笑)。これが小学生までの人生でいちばん頭を使ったことでしょう(笑)。中学2年生のとき右肘を骨折して入院したんですが、そのときにクロスワードの雑誌をもらって左手で解いてました。それがペンシルパズルとの初めての出会いですね。それからクロスワードはちょこちょこやってましたよ

(金)ニコリを知ったのはいつごろですか?

まいなすよん大学のサークルの部室に『パズル通信ニコリ』の67号(1997年6月発行)が置いてあったんです。手に取ってパラパラ見たんですけどオモロパズルのできるまでに惹かれました。小さいところにキュッと詰まってるのが好きなんです。貧乏性なんで(笑)。オモロパズルのコーナーは、読者も編集者も、みんなで試行錯誤している感じがしたんで、そこが気に入ったんですね。新しいものが生まれてきているというのも楽しそうでしたし。次の号はすかさず買って、ほとんどのパズルを解きました。それからは、ずっと買ってます

(金)パズルを作るようになったきっかけは?

まいなすよん京子のパズル』という本を図書館で借りたんです。ふくめん算作家の大西京子さんの作品集なんですが、ガツンと影響を受けました。自分もこんなふくめん算を作ってみたいと思いました。作ってみたらできちゃいました。ニコリに送ってみたら載っちゃいました。めでたい! それから1年ほどはふくめん算ばかり送ってました

(金)『京子のパズル』は、私も制作に関わった本ですね、なつかしい。まいなすよんさんの掲載作を調べてみたら、初めて載ったのは1998年12月発行のニコリ80号でした。当時ニコリは月刊だったんですね。ふくめん算以外のパズルはいつごろから作っているのですか?

まいなすよん月刊が終わるころです。パズルをニコリに投稿している人のホームページを見て、作る楽しさを教えてもらったというのが大きいですね。こんなに楽しそうに作っている人がいるなら、作ったら楽しいに違いないと思いました。実際作ったら楽しーい!! みたいな(笑)。作って送って載る、快感! また作って送って載る、またまた快感! という感じでした。ほかの作家の話が聞けたのがよかったし、掲示板などでレスポンスがあるのがうれしかったです。当時は手当たり次第に作ってました

(金)パズルを作るときに考えていることは?

まいなすよん自分が楽しめるように作ってます。想定読者は自分なんで、自分が解くのならこんなのが楽しい、というパズルを目指してます。オレが解くならこう考えるだろうから、それならそこからは解けずに別の場所から解かせるようにしよう、とかね。解く人を楽しませたいんです。自分は、パズルを作る才能は、あまりないかもしれないけど、パズルを楽しむ能力には自信があるんです。だから楽しいと思える場面はたくさん用意できると思うんです。自分が楽しめる方向のものを表現できたら、解いてくれる人たちにもきちっと受け止めてもらえると信じています

(金)理想とするパズルは?

まいなすよんなんで気づかなかったんだろう、と思われるようなパズルがいいですね。みんなが気づくはずのものを提示の方法を少しひねって、答えをぶら下げられているのに気づかない。作者としては、やられた、と言ってもらえれば最高です。なかなかそんなパズルはできないんですけど、いつかは納得できる作品を仕上げたいですね

(金)なんでパズルが好きなんですか?

まいなすよんパズルは無駄遣いだからです。時間とか才能とかを、無駄に使ってますよね。贅沢なことだと思います。パズルを作るときは、最初は無限の可能性があるのに、可能性を少しずつ捨てていきますよね。そこも贅沢です。最終的にはひとつの答えに収束させていきますよね。きっちりと、ひとつの答えにみちびかれるものは、実生活ではあまりないですよね。これも快感です。楽しくてしょーがないですね。パズルとはしょーがないものですね(笑)

(金)まいなすよんさんの野望は?

まいなすよんボクは才能が枯れているので、高い、とんがったところはほかの人にまかせます。裾野を広げるのがボクの役目だと思っています。nikoli.comでは解いた人のメッセージがありがたいです。レスポンスがあることが重要ですね。この世界にはパズル好きな人がたくさんいるじゃんっていうのがわかります。ボクの作品に込めた想いが理解されている、と確認できることは幸せです。ボクがもっと幸せになるために、もっともっとたくさんの人にパズルの楽しさを伝えたいです

(金)では最後に、まいなすよんさんのパズルを解いてくれる方にメッセージを

まいなすよん楽しく解いてください。ボクが目指すのは空気のようなパズルです。なにも残らなくていいんです。スーッと解いて、ああ面白かった、と思っていただければうれしいです


インタビュー : 2007年10月 2007年12月25日公開