作家インタビュー第6回 坂本伸幸さん

インタビュー作家座談会

坂本伸幸さんは、ペンネームではなく本名で活躍しているパズル作家さんです。30歳独身。言葉系のパズルも作る、オールマイティーな作家さんです。

(金)今の本職はサラリーマンなんですよね

坂本伸幸そうです。IT系の会社で、研究職に近いようなことをやってます

(金)坂本さんは、数学で博士号もお持ちなんですよね

坂本伸幸はい。実は、学部から修士課程まで、にゃんこばずうかという最近ニコリに就職した男と一緒だったんです。修士課程が終わるときに、にゃんこばずうかと一緒に就職活動して同じ会社を受けたんです。結果、彼が受かってボクは落ちました。ボクは博士課程に進みました(笑)

(金)へええ、そうなんですか。大学院での研究テーマは?

坂本伸幸●▽×が■◇で、◎□を×○してたんです

(金)さっぱり理解できませんでした(泣)。博士号は卒業してから役に立っているんでしょうか

坂本伸幸大学院生のあいだでよく言われていることに、博士号というのは、足の裏にくっついたご飯粒のようなものだ、というのがあるんです。気になるからさっさと取ってしまいたいけど、取ったところで食えはしないということなんです。本当にその通りだと思いますね。博士号だけじゃ、まったく食えません(笑)

(金)なるほど。数学博士になるほどだから、小さいころから数学好きだったんですか?

坂本伸幸小学校のころから算数は大好きでした。小学校低学年のとき算数の授業で、四角形をたくさん描きなさい、と先生に言われたんです。ボクだけ凹四角形を描きました。まわりの子には、こんなの四角形じゃないや、とか言われましたね。辺が4つの図形をいろいろ考えて思いついたんだと思います。そのとき先生にほめられました。そのころから、人が思いつかないような考え方をすることが好きだったんですね。人と違うね、と言われることは、ボクにとっては最高級のほめ言葉なんです。別の言い方をすれば、天の邪鬼ということなんですけどね(笑)

(金)なるほど、小学校低学年で、四角形と言われて凹四角形を思い浮かべる子は、ほとんどいないでしょうね。昔から人と違ってたんだ(笑)。じゃあ大学の数学科へ進むのは小さいころからの夢だったんですか

坂本伸幸数学科へ行こうと決めたのは高校のときです。数学が好きというのもありましたけど、それ以上に数学以外の教科が全然ダメだったんですね。同じ理系でも、化学も物理もダメでした(笑)

(金)それは意外だ。パズルと数学の共通点はありますか?

坂本伸幸パズルはとても数学っぽいです。基本は論理思考で、ときどき斬新な発想が必要になるところが共通点でしょうか。前提となる知識がそれほど必要ではない、というところも同じですね

(金)なるほど。ではパズル以外の趣味は?

坂本伸幸ゲームとネットと散歩でしょうか。数学やパズルとの共通点は、あまりないかもしれませんね

(金)坂本さんはどんなところでパズルを作っていますか?

坂本伸幸ほとんど自宅です。休みの日が多いですね。ボクは気が変わりやすいんで、一気に作らないとだめなんですよ。大きい問題を細切れの時間で作っていると、考えがどんどん変わっていっちゃって、まとまりのない問題になっちゃうんです

(金)それはわかりますね。ところで、坂本さんにとってのパズルとは何でしょうか

坂本伸幸2点あります。ひとつはひまつぶしです。もうひとつは自己表現の場ですね

(金)ひまつぶしとは、空いた時間にパズルを解いたりすることでしょうか

坂本伸幸解くのも含まれますけど、作る方もひまつぶしになります。電車に乗っているときに、なにか新しいアイディアが浮かばないかと、ボーッと考えているだけでも時間をつぶせますから

(金)なるほど。新しいパズルのアイディアを考えるのもまたパズルですね。自己表現とは?

坂本伸幸人と違う発想をしている自分を表現したいんです。パズル通信ニコリに載っている普通のパズルとは違うんだぞ、というところを見せたいんです。人をアッと言わせたいんですが、そのためには手段は問わないとまで思っていますよ

(金)坂本さんの問題には一風変わった問題が多いですよね。でも簡単な問題も多く作ってますね

坂本伸幸ボクの作る問題も、ひまつぶしと自己表現の2種類なんです。教育的な問題と実験的な問題と言い換えてもいいかもしれません。作った問題は誰かに解いてもらいたいと思います。だから、ボツにならない問題を作る、ということも考えてます。やさしい問題でいい問題は載りやすいですしね。いいやさしい問題は、初級的な手筋だけで解けて、しかもその先につながっていく問題だと思います。ボクの作った問題を解いて、このパズルの面白さがわかった、と言ってもらえればうれしいですね。自己表現のために斬新さを追求する問題は、先ほども言いましたけど手段を問わないんで、難易度も何でもありだと思ってます

(金)坂本さんの今後の目標はありますか?

坂本伸幸新しい定番パズルを作ることですね。数独のように、ニコリを飛び出して世界に広がっていくパズルを創作したいです

(金)では最後に、このインタビューを読んでいる人たちに向けてのメッセージを

坂本伸幸解いておどろいてください。できれば、ボクをうならせる斬新なパズルを作ってください


インタビュー : 2007年9月 2007年11月29日公開